認定看護師
認定看護師とは
認定看護師とは特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護を実践する看護師です。
認定看護師になるためには、看護師として5年以上の経験を積み、各専門領域での実務経験が3年以上必要になります。書類審査や入学試験を経て、認定看護師を養成する学校に入学し、6~8ヵ月間の期間で講義や演習・実習を受けます。合格基準を受け無事に修了した者が認定試験を受けることができます。見事認定試験に合格し、登録をされて初めて、認定看護師となります。
認定看護師は、21の領域があり、全国に20,960名(2019年7月現在)登録されています。大分県内には221名の認定看護師が登録されており、当院では3名の認定看護師が勤務しています。
当院の認定看護師
皮膚・排泄ケア認定看護師 中田 清秀
【認定看護師を目指したきっかけ】
認定看護師を目指したきっかけは、看護師として十数年業務をしてきた中で、自分なりの特性・専門性を高めることができないか考えていた際、各領域の専門性を高めた看護師(認定看護師)の存在を知りました。豊肥地区には認定看護師が不在であり、高齢化率が高いという地域性を踏まえ地域のため、自分のために何かできることはないかと考え、人工肛門や創傷にかかわる機会が多く、興味があった領域の皮膚・排泄ケア認定看護師を目指すことにしました。
【認定看護師としての活動】
皮膚・排泄ケア認定看護師は、通称WOCNと呼ばれます。これは、Wound Ostomy Continence Nursingの略称で、それぞれW:Wound:創傷、O:Ostomy:ストーマ(人工肛門、人工膀胱)、C:Continence:失禁、N:Nursing:看護を意味します。院内での活動として、褥瘡ができやすい患者さんに対し予防方法を含めた計画を立案するほか、褥瘡などの傷が治りやすい療養環境を整えるために、創部や全身状態を観察し、寝具の選択や医師と共に適切な治療材料を選択します。また、傷つきやすい皮膚や傷の周囲のスキンケア方法なども含めて実践を通して指導・説明を行います。ストーマケアでは、看護職だけでなくストーマを持つ方、これから手術を受けられる方、家族の方や施設職員に向けて、ストーマとストーマ周囲皮膚などの管理、ストーマ装具の選択、日常生活へのアドバイス、精神的なサポートを行います。失禁ケアは、便・尿失禁に伴う問題の改善を促すケアです。特に病気や手術後に発生する失禁に対する排泄管理、失禁による皮膚のかぶれなど予防・改善するようにケアを行います。院内だけでなく外部施設や施設スタッフ向けに学習会の開催なども行っています。
感染管理認定看護師 小林 美枝
【認定看護師を目指したきっかけ】
私は以前、ノロウイルス感染症のアウトブレイク事例を経験し、一瞬にして感染が広がる恐怖を経験しました。確立したマニュアルがなかった時代に感染経路が特定されず、感染対策は難渋しました。患者や職員は疲労し不安が強まり、できる限り感染症に苦しまないような対応ができたらという思いをしました。感染対策の実践は、原因を知り、科学的根拠に基づき行う必要があります。そこで、専門的な知識や技術を身につけるため認定看護師を目指しました。
【認定看護師としての活動】
医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師で構成される感染対策チーム(ICT)で院内ラウンドを行います。院内ラウンドでは、療養環境や薬剤の使用状況を確認し、部署と問題を共有して感染防止対策の取り組みを行っています。また、感染予防に関する相談・指導・教育を行います。地域の活動として「インフルエンザ予防」「ノロウイルス感染症予防」等を地域の方々にお話しする機会をいただいて感染防止対策を推進します。
認知症看護認定看護師 今山 裕子
【認定看護師としての活動】
入院された患者さんが慣れない環境や治療のストレスにより、夜眠れず生活リズムが乱れた時などに混乱が生じないよう日常生活を支えるケア、また認知症に関連した症状の予防や緩和ができるよう努めており、院内では毎週廻診を行い、組織横断的な活動をおこなっています。また、健康教室や看護協会での講師など院外活動も行っています。